ダーウィンのデイリーリバーというところに住むカモア(Kamor)と呼ばれるアボリジニ一族のアート、その歴史と絵画にまつわる物語について紹介します。
この絵は1884年、デイリーリバーの銅鉱山において、カモア一族が大虐殺されたときの様子を描いた絵です。
その時代、カモア一族はナミという名の先祖によって統率され、守られていました。物語は、白人開拓者がカモア一族の一人を撃ち殺したところから始まります。報復としてナミはノルテニアスという名のその白人男性を槍で刺し殺しました。ちなみにノルテニアスは後にビラボン(三日月湖)に埋葬されたことから、そのビラボンは彼の名をとってノルテニアスビラボンとして知られています。 リッチフィールド国立公園内にあります。
そのナミの報復は、白人開拓者たちの怒りを買い、カモア一族に対する報復を招く結果となりました。白人開拓者達は銅鉱山の中にいるすべてのアボリジニを殺しにかかりました。武器や毒を使って殺し、時には銃弾を節約するために、赤ちゃんの頭を岩に打ち付けて殺したりもしました。
これが、アーサーの祖母によって彼に伝えられた物語です。この絵画は、アーサーの先祖たちを描写しているのです。
外来種であるオオヒキガエルがデイリーリバー一帯に現れると、それらがもつ毒により、カモア一族の主食であったオオトカゲはほぼ一掃されてしまいました。
カモア一族もまた、絶滅したと言われていますが、彼らはむしろ数を増やしています。彼らは絶滅したと言われてから、現在までに5世代を築き上げました。
今、オオトカゲはほぼ絶滅しかけています。しかしカモアの人々は自分たちと同じように、オオトカゲにも生き延びて数を増やしてほしいと願っています。
絵画は、カモア一族の物語を国や動物たちを用いて表現し、我々にその物語を伝えるために描かれているのです。また、ヨーロッパ人がデイリー地区に来てからの彼らの奮闘も表しています。
オオトカゲの絵は、ディンゴと呼ばれる犬がオストメスのオオトカゲとその卵を狙っている様子を描くことにより、子供をもった男性と女性の家族を表現しています。オオトカゲはカモアの人々にとって伝統的な食べ物であり、オオヒキガエルがこの土地に侵略してから、絶滅の危機に瀕しています。
蛇と亀は三日月湖(ビラボン)に生息しています。
蛇は亀のために食べ物をすり潰して提供し、亀はそのお礼に蛇を背中に乗せて、水の中を泳いで運んであげます。
昔の人々はビラボンの近くで亀探しをしていました。デイリーリバーにはたくさんの亀がいるのです。亀はカモアの人々にとって主要な食べ物の一つでした。彼らは棒を沼地の草むらに抜き差しすることにより、亀を乾燥している泥地に追いやって捕まえていました。
彼らが、亀を泥から引きずり出すとき、蛇は水の中で、亀が戻ってくるのを待っています。
この物語の中では、カールーは子供をなくした女性の生まれ変わりとして描かれています。カール−の甲高い鳴き声は、彼女が今でも子供を泣きながら探している声なのです。
この絵画には、カールーが子供を探し出せないように、新しくその子供の母親となった女性が子供の足跡を葉っぱで隠している様子が描かれています。四隅の手形はその新しい母親の手を表しています。
チキンホークはドライシーズン中に起こる草原の火事を探しながら空を飛び回っています。ヤムイモをくわえたディンゴという犬が現れ、彼は2つの木をこすりあわせて火をおこそうとしますが、うまくできません。ディンゴはお腹が空いたので、ヤムイモを食べました。チキンホークが火を持って戻ってきたとき、ディンゴの口からはよだれがしたたっていました。 チキンホークはディンゴに尋ねました「なぜよだれを垂らしているの?」 ディンゴはこう答えました「私はとてもお腹が空いていたからヤムイモを食べてしまった。」チキンホークはこう尋ねました「では、なぜあなたの足は黒いの?」ディンゴはこう答えました「2つの木を使って、火をおこそうとしていたからだよ。」
そんなわけで、今日、すべての犬は黒い足を持ち、口からよだれをしたたらせているのです。
デイリーリバーの街は、ダーウィンから南に230km離れたところに位置します。川のすぐそば、ナウリュというアボリジニのコミュニティが中心となっており、ここはもともとアボリジニにカトリックを布教するための拠点でありました。
歴史的には、この地域の所有者はマラックと呼ばれる一族の人々で、彼らはナウリュや、さらに下流にあるウーリアンナというところに住んでいます。
ヨーロッパ人によって開拓され始めた頃、多くの原住民が、この地域に移り始めました。Ngan'gikuruggurrという言語が10ある地元のアボリジナル言語の中で最もよく使用された言語だそうです。
そして、この地域はバラマンディ釣りの場所として有名です。
夜鳥とオポッサムは夜に食べ物の狩りに出かける良き友達でした。彼らは、中が空洞になっている丸太の中から食べ物を探します。しかし、オポッサムはいたずら好きで、いつも夜鳥のことを木で叩いてからかいます。
ある夜のこと、夜鳥はそれに耐えられなくなり、オポッサムに尋ねます「なぜいつも私のことを叩くの?」
しかし、オポッサムは答えることなく、ただ夜鳥を叩き続けます。とうとう夜鳥はオポッサムを残して飛び立ち、彼らは二度と一緒に狩りに出かけることはありませんでした。
サラトガは原住民の間で、ハーフバラマンディとして知られています。
大昔の物語、まだ魚がいない頃、一族は動物や植物の根、ベリーなどを食べて、とても満ち足りた日々を送っていた。しかし、ブーディとヤリマは違った。二人は結婚したかったのだが、一族の者が、ヤリマは年寄りの男と結婚し、彼の面倒を見るようにと言って反対したのだ。ブーディとヤリマは村を逃げ出すことを決め、そして実行した。一族の年長者に向かって歯向かうことは法を犯すに等しく、死刑に値するものであった。村の男たちは、すぐに彼らを処刑するために探し出た。
彼らはとても疲れていたが、走り続けなければいけなかった。しかし、ついに水が湧き出る所で彼らは行き止まり、生き延びるには村の男たちと戦うしかなくなった。
怒った男たちは二人のもとへ向かってきた。彼らは急いで木を集めてできるだけ多くの槍を作ったが、村の男たちの数はとても多く、すぐに槍が尽きてしまった。ブーディは愛するヤリマの方を向きこう言った「私達が永遠に一緒にいるには、水の中で暮らすしかないようだ。」 そして彼らは水の中へ飛び込んでいった。
彼らは今でも、バラマンディの形をして丸太とアシの間に隠れているのだ。
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